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労務アドバイス vol.081

今年度の最低賃金引き上げについて (2023.07.21)

 さて、今年度の最低賃金の地方審議会が今月より始まります。近年、最低賃金は大幅な引上げが行われており、企業経営に大きな影響を与えています。今年10月の最低賃金引き上げはどうなるのか、強い関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、2023年4月12日に、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局が公表した「三位一体労働市場改革の論点案」の中から最低賃金に関する今後の論点について見ていきたいと思います。

[1]「三位一体労働市場改革の論点案」
 最低賃金に関して「三位一体労働市場改革の論点案」の中に記載されている内容は以下のとおりです。

 1. 全国加重平均1,000 円を達成することを含めて、公労使三者構成の最低賃金審議会で、しっかりと議論してもらう。
 2. 地域間格差の是正を図るため、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げることも必要。
 3. 今夏以降は、1,000円達成後の最低賃金引上げの方針についても(新しい資本主義実現会議で)議論を行う。

[2]最低賃金の地域間格差縮小への動き
 [1]の2.でも最低賃金の地域間格差是正が論点となっていますが、この点については既に具体的な動きが見られます。最低賃金は、中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にしながら、各都道府県の地方最低賃金審議会で地域の実情を踏まえた審議・答申を得た後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長により決定される仕組みとなっています。

 この目安については、従来A~Dの4区分が設けられており、東京・大阪などの都市部と地方では目安額に差が設けられることが通例となっていました。今回、この区分がA~Cの3区分へ再編されることとなり、最低賃金の地域間格差の縮小が図られることとなっています。

<各都道府県に適用される目安のランク>

ランク 都道府県
A埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
B北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
C青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

 諸外国との賃金格差の縮小が大きな課題となる中、最低賃金に関しても、今後、大きな動きが予想されます。

 

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