労務アドバイス vol.104
カスタマーハラスメント対策義務化へ (2025.06.16)
2025年3月、カスハラ対策を雇用主に義務付ける法案が国会に提出され、本国会にて成立する可能性が高いと考えられます。これはカスハラ対策を「雇用管理上の措置義務」とすることを主な内容とするものです。施行日は未定ですが、可決されれば公布日より1年6カ月以内で政令の定める日に施行されることとなり、早ければ、令和8年10月頃から施行される可能性があります。カスハラは昨今大きな社会問題になっています。顧客によるカスハラ行為はその態様により、暴行、傷害、脅迫、強要、名誉棄損、侮辱、業務妨害、不退去などは刑法や軽犯罪法等で規制されていますが、他方、刑罰法規に触れない程度の迷惑な言動や過度な要求に対する法的な規制はありません。しかし、このカスハラにより自社の従業員がメンタル不調となり、仕事に来れなくなるなど、深刻な問題に発展することも少なくありません。なお、カスハラの対象となる行為については、国より指針が具体的に発表される予定です。今から自社でこれまであった迷惑行為等を洗い出し、その対策の検討をするなど、準備を進めていただきたいと思います。