【2011.07.21】    

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■ サマータイム制と体内時計の関係
−生活のリズムを崩さないために−


◆ サマータイム制の導入が増加
 始業と終業時刻を1〜2時間前倒しするなどの日本版サマータイム制を導入する企業や自治体が、関東地方を中心に増えています。
 節電対策が目的ですが、生活のリズムが崩れ健康へ悪影響が出ないかと心配する声も上がっています。

◆ 体内時計には2種類ある
 人は生まれながらにして備わる「体内時計」を持っています。この体内時計により、人は夜眠くなり、朝目覚めるというリズムを生み出します。
 体内時計には2種類あり、1つは脳の神経にある「主時計」、もう1つは全身の細胞にある「末梢時計」です。この正体は酵素やホルモンなどのたんぱく質の生成を調節する遺伝子で、一定の周期で活動して体内の代謝などを停滞せずに進めています。
 主時計の周期は約25時間と、人が生活する1日より長いため、自然のままでは後ろにずれていきます。このため、遅く寝るのは簡単ですが、早く寝るのが難しくなります。
 主時計は光に反応して早まる性質を持っているため、早く起きる習慣をつけるなら起床後すぐに太陽光を浴びることが効果的のようです。

◆ 食事の量と時間で調整
 末梢時計の調整には、食事の量と時間が重要です。専門家によれば、人は9〜11時間空けた後の食事によって末梢時計がリセットされるため、主時計と同調する可能性が高いと予測されます。
 このため、夕食を遅くとった場合は朝食までの時間が短くなり、遺伝子の活動がリセットされにくくなります。また、朝食の献立も重要で、米やパンのほかたんぱく質も十分にとり、夕食はむしろ軽めにした方が、末梢時計の調整には効果的とされます。
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